Restrooms/Fixtures for Marunouchi Bldg.
丸ビルのためのトイレ空間・洗面器・水栓・ハンドドライヤー
2002年に開業した丸ビルのオフィスフロアのためにデザインしたトイレ空間と器具類。
いつまでもきれいに使えるトイレをつくるため、1999年暮れ、三菱地所設計部とともに、東陶機器を交えたプロジェクトチームを結成した。
手を洗った後の水を切るなじみの動作が、洗面所のカウンターを濡らしてしまう。
オフィスビルでは常識となっていた大きなカウンターは、こまめにメンテナンスしているにもかかわらずいつも濡れており、使う人に不自然な振る舞を強要していた。
そこで、荷物も置けず不快感を与えるカウンターは取り去り、無理な動作を誘発する要素をひとつずつリデザインしていった。
荷物の置き場は水はねがかからない高い位置に設け、自動水栓のセンサ位置を吐水口のすぐ上に移動し、差し入れた指先から水がかかるようにした。
水栓金具とソープディスペンサー、湯水切り替えバルブといった、手を洗うためのすべての機能を深めのボウルの内側で完結させた、壁掛け型の洗面器をデザインした。
シンプルなかたちだが、胴の中には、水を流すための電磁弁、ソープタンク、石けんを吸い上げるためのポンプなどがぎっしり詰まっている。
三菱電機と共同開発したハンドドライヤーは二つの洗面器の間に設置した。
安心して手荷物を置けるために両手が自由になり、手を洗った後はほとんど移動せずに手を乾かせる。
荷物を置いたまま乾いた手で身だしなみを整えることができるため、手を洗いトイレを出て行くまでの一連の動作が自然で美しいものになった。
これらの機器は、いずれもメーカーのカタログモデルとなり、丸ビル以外の様々な場所でも使われている。